TL;DR
- 褥瘡マネジメント加算は特養等の介護保険施設向けの加算で、GH(障害福祉サービス)には同一の加算制度はありません
- 全国的に算定率が伸び悩む主因は、リスク評価・多職種カンファレンスの記録運用の不備です
- GHでは加算取得はできませんが、記録術の考え方は褥瘡予防・医療連携体制加算(VII)の運用改善に応用できます
褥瘡マネジメント加算とは何か?
褥瘡マネジメント加算は、介護保険施設(特養・老健等)に入所する高齢者を対象に、褥瘡の発生リスクを定期的に評価し、多職種で計画的なケアを行うことを評価する加算です。日本褥瘡学会の実態調査では、施設入所者の褥瘡有病率は概ね2〜3%程度とされ、決して珍しい合併症ではありません。
加算の主な要件(特養の場合)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 評価頻度 | 少なくとも3ヶ月に1回のリスク評価 |
| 評価方法 | OHスケール等の褥瘡発生リスクアセスメント |
| 多職種連携 | 医師・看護師・管理栄養士・介護職員によるカンファレンス |
| 記録 | 評価結果・ケア計画・実施状況の記録保存 |
なぜ算定率は伸び悩むのか?
介護給付費実態統計等の分析では、褥瘡マネジメント加算の算定率は全施設の半数に届かない水準にとどまるとの指摘があります。主な要因は次の3点です。
- 評価の形骸化:様式は使っているが、実際のリスク変化を反映していない
- 多職種記録の分断:看護記録・介護記録・栄養記録がバラバラで、カンファレンス根拠が残らない
- 写真・部位記録の不足:経過比較ができず、改善・悪化の判断が属人化する
算定率を上げる記録術とは?
特養の現場で算定率向上に成功している施設では、以下のような記録運用が共通しています。
ポイント1:評価と記録のタイミングを固定化する
- 入所時・月1回定期・状態変化時の3タイミングで統一
- カレンダー管理ツールでアラートを設定し「記録漏れゼロ」を目指す
ポイント2:多職種が同じフォーマットを使う
- 部位・サイズ・深達度(NPUAP分類等)・写真の4項目を必須化
- 誰が記録しても同じ粒度で経過が追えるようにする
ポイント3:カンファレンス記録を「決定事項ベース」で残す
- 議論の過程よりも「次回までに何をするか」を明記
- 医師の指示内容と担当者を紐づける
GHでは何を応用できるのか?
GHには褥瘡マネジメント加算という制度はありませんが、身体合併症のある入居者や長期臥床傾向のある方では褥瘡リスクへの配慮は必要です。特養の記録術は、GHの以下の場面に応用できます。
- 日常の観察記録:発赤・皮膚状態の変化を写真付きで残す
- 医療連携体制加算(VII)の運用:看護師・オンライン診療医との情報共有記録の質を上げる
- 運営指導対策:記録の一貫性・網羅性は褥瘡に限らず全ての指摘事項の予防になる
こうした記録の型化・多職種連携の仕組みづくりは、株式会社Anchorが提供する精神科オンライン診療(月2回)や都加算(330円/日)の届出支援、法定研修SaaSの中でも共通する考え方であり、記録運用の整備を含めた加算取得コンサルとして支援しています。
まとめ
褥瘡マネジメント加算はGHには適用されない介護保険施設向けの制度ですが、算定率が伸び悩む背景にある「記録の型化不足」「多職種連携の分断」は、GHの医療連携加算や運営指導対策にも共通する課題です。評価タイミングの固定化、フォーマット統一、決定事項ベースのカンファレンス記録という3つの視点は、GHの日常記録の質を底上げするヒントになります。
